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2010年 05月 07日
ISU(国際スケート連盟)は5月4日付で、2010-11シーズンのルール変更点(ISU総会での協議を待たずに決定)と、国際試合の開催地および日程を発表しました。また、6月中旬にバルセロナで行なわれるISU総会での議題(協議内容)も既に発表されています。
<詳しくはこちらから> ISU:ISU Communicationsのアーカイブ…ISUからの重要事項発表文書。PDFファイル。1611がシングル&ペア競技の変更点。1612が国際大会競技日程。1609が総会での議題一覧(原文は200ページ以上あるそうです)。 ・シングル&ペアのルール改正点…ジャンプに関する評価(基礎点・GOE加減点・回転不足orダウングレード評価時の基礎点)の大半において大幅な改正が行なわれます。基本的には高難度のジャンプに取り組む姿勢を奨励するものと思われ、ジャンプに力を入れ能力の高い日本選手やロシア選手、高難度ジャンプに積極的に取り組んでも回転不足判定に泣くことが多かった米国女子選手などにとっては、特に歓迎すべき変更と感じられます。もちろん取り組む選手が激増することが予想されるので競争は激化するでしょうが、スポーツとしての点や選手の挑戦を評価する姿勢には賛同したいと思っています。私は新採点法での競技が好きで基本的に新採点は評価していますが、近年GOE・PCSでの、時には一種恣意的とも思われる極端な拡大解釈に悩まされる機会が増えてきたというか、人のいい私でもさすがに今年の世界選手権、特に女子シングルでの採点&順位には頭にきて笑うしかなかったというか、そういうこともあった矢先だったので嬉しい発表でした。少なくとも「見た目の出来栄えと、得点&順位評価の著しい乖離」は減少の方向に向かうのではと思われます。 日本語での解説記事 MSN産経 時事通信 読売新聞 なお、例年通りですと日本スケート連盟のホームページに、しばらくしてから日本語版の文書が掲載されます。 ・国際大会開催予定…日本関係の大会としては、9月に軽井沢でジュニアGPシリーズ(ペア競技無し)、10月初旬にさいたま市でジャパンオープン(テレビ東京のホームページ等では、現時点で開催の発表はまだありません。実施なら来て欲しい選手もいるので楽しみ)、10月後半に名古屋市でNHK杯(今年はGPシリーズ初戦)、来年3月に東京(・国立代々木競技場第一体育館)で世界選手権、4月に横浜市で国別対抗戦が行なわれる予定、と5月4日付のこの文書ではアナウンスされています。 開催時期および場所について大きく注目していた国別対抗戦についても発表がありました。もし、世界選手権と同じテレビ局が放送権を持つのであれば(テレビ局は大会運営にも大きく関与しているので)、2つの大会を連続して同じ会場で行なう可能性もあるかも、と思っていました。アイスダンスの日程短縮は、五輪で国別対抗団体戦をどうしても採り入れたいためといわれるほど、チンクワンタISU会長の肝いりのイベントだからです。結局、第2回も前回大会と似たような時期の開催となる模様で、海外チームは結構たいへんかなと思われますが、選手・スタッフ・観客のそれぞれから良い大会にしようという気持ちが伝わり、素晴しいイベントになった第1回に勝るとも劣らないものになることを期待します。 「スポンサーが撤退の意向を示したため大会続行が難しい(他国での開催の可能性もある)」との噂が絶えないエリック・ボンパール杯は、この文書では「実施」と記されています。 ・ISU総会協議事項…原文は大部ということもあり、安藤美姫さんのファンサイトで、日本のトップ選手に関係してくると予想される要点について日本語で解説を行なっています。女子SP必須要素からスパイラルが削除される可能性が高く(このことは大歓迎。FSではスパイラルは要素として残る)、得点が前シーズンより出なくなるのでは、という一部の展望記事もありましたが、ジャンプの評価点の大幅変更もあり、一概には言えないようです。 10-11シーズンは五輪開催直後&大幅なルール変更の後ということもあり、例年より各国選手の本格的準備開始が遅めと感じているところですが、多くのシニアトップ選手が現役生活続行を表明しており、新しい選手たちも含めて各人のさらなる精進&健闘に期待しています。
by morningdew21
| 2010-05-07 23:16
| 競技・大会
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