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2010年 10月 06日
<10月6日夜追記>キム・ヨナは10月5日にロサンジェルス郊外にて会見を行ない、新しいコーチにピーター・オペガード(オプガード、Oppegard)氏が決まったと発表しました。
氏はペア競技出身で、これまでもペア選手の指導に定評があります。現在ヨナが練習中のスケートリンク、イースト・ウェスト・アイスパレスでコーチ活動を行なっており、ミシェル・クワンの姉カレンの夫。ヨナが西海岸に移ってから、コーチ候補としていずれもクワンと縁のあるフランク・キャロル氏やラファエル・アルトゥニアン氏、オペガード氏の生徒だったナオミ・ナリ・ナム(韓国系米国人のペア競技元選手)などとともに、頻繁に名前が挙がっていました。すでにオペガード氏がヨナを指導する場面も目撃されていたようで、順当な決定・発表だったと思われます。 実際にどこまで準備が行なえるかはこれからにかかってくるようですが、ヨナのマネジメント会社によれば、今月中旬から新しいSPの振付作業をデビッド・ウィルソンと行なうとのことです。 新コーチとの相性が良く、スケートを楽しめる・集中できる環境に入れて準備が行なえて、目標とする来年3月の世界選手権参戦が実現することを期待し、楽しみにしています。 MSN産経(会見直前に短時間、指導の模様を公開) 聯合ニュース AFPBB 共同通信 中央日報 アイスネットワーク ナビコン(韓国の動画ニュースへのリンクあり) 東亜日報 <9月8日夜追記> ロサンゼルス時間9月7日に行なわれた、キムとクワンの会見でのキムの発言について 中央日報 ロサンゼルスタイムズ(英語) 発言内容や雰囲気からすると、ガツガツと競技(復帰)に向かって準備していく、という風にはあまり感じられませんが、世界選手権に向けて本気で支度をするのであればまだ半年もある、とも言えます。10月頭のLAショーの興行としての成功度合いにもよりますが、スタッフ豊富なトロントからの(後ろ足で砂をかけるとまでは言いたくないにせよ)急な出立やIMGとのあつれきとか、頼みの韓国内でもCM/スポンサー契約の続行がはっきりしない案件が多い、という現状からすると、様々なことを天秤にかけて慎重に判断する必要があるのかもしれません。 競技復帰を本気で行なう意向があるのなら、噂にも頻繁にのぼっているようにラファエル・アルトゥニアンの起用がベストだと私も思います。キム陣営が彼のことを役不足だと思わなければ。 <9月7日夜追記> キム・ヨナのエージェントは、現地時間の9月6日にキムがトロントを完全に離れ、ロサンゼルス近郊のリンクに移って当面個人練習を続けながら新しいコーチを探す、と発表しました。 LA近郊のリンクは、最近急速に関係を深めているミシェル・クワンの練習場所でもあるとのこと。現地時間7日にはキムとクワンが、10月にステイプルズセンターで行なうアイスショーについて会見します。 キムはトロントを離れる直前はグラニテ・クラブで練習していたとのことで、ここはシェイリン・ボーンの本拠地でもあるので噂されていたとおり今季SPの振付作業を行なったかもしれません。多少あわただしい印象はありますが…。 AFPBB 東亜日報 朝鮮日報 中央日報 <8月25日夜10時半過ぎ追記> その後の報道等がたくさんあります。両者の言い分が平行線のまま、かみ合っていないことには変わりありません。 中央日報の記事がたくさん読めます。いつもの同紙の論調に比べてかなり冷静な調子に見え、そのことにいちばん驚いたり。 その1 2 3 4 5 聯合ニュース 東亜日報 朝鮮日報 英文記事いろいろ トロントの日刊紙、トロントスター 米国のスポーツ専門局、ユニバーサルスポーツ カナダのグローブアンドメール紙 <以下、8月25日未明に記す> キム・ヨナが、今後ブライアン・オーサーコーチとは活動を行なわないことが日本時間の8月24日にわかりました。オーサー氏マネージャー、キム・ヨナのエージェントの双方から発表がありました。 オーサー氏側の表明内容 中央日報 (8月2日に行なわれた事実上の解雇通告を、日本・韓国時間の24日に明らかにした理由は不明) これを受けて行なわれたキム・ヨナエージェントの会見内容 聯合ニュース 中央日報 koreaherald.com(英語) 読み比べていただいたとおり、双方の見解・言い分には隔たりがあるようですが、現時点ではっきりしているのは両者が袂を分かち、そして今後もおそらく共に活動することは無い、と思われることです。キム・ヨナエージェントの若手スケーターでやはりオーサー氏に指導を受けていた選手も、オーサー氏のもとを離れるそうです。 バンクーバー五輪後、世界中の多くのスケーターがオーサー氏らとの練習を求めて、短期/パーマネントの活動のためにトロントに出向いていることは事実ですが、そういったことをヨナサイド(というか彼女の母親)があまり快くないと感じたのかどうかはわかりません。 今季のオーサー組では、アダム・リッポンやクリスティーナ・ガオが既に良い準備ができていると感じられ、彼らは米国のみならず世界のシニア/ジュニアシーンでの大活躍が予想されます。 7月、韓国でのヨナのショーにオーサー氏が渡韓せず、ヨナがそれ以前カナダでの50日間でほとんど何も活動していなかったことに私は不思議な驚きを感じましたが、その直後に大きな動きがあったということです。デビッド・ウィルソン氏はその際も韓国を訪れ、今後のヨナの活動やプログラム作りに強い意欲を示していて、すでに彼女の新しいFSは作成した模様です。SPはシェイリン・ボーンがつくるとのこと。 ヨナがオーサー氏と離れるということは、選手活動からさらに一歩大きな後退を示したという風に私は感じましたが、予告していたとおり来春の世界選手権に向けて準備してくるのかもしれません。GPシリーズの辞退は確定しています。 以前、ヨナの突然のコーチ交代といえば07年にはいってすぐ、韓国の女性コーチからオーサー氏にスイッチということがあり、そのときはヨナの母親の意向を強く反映したと伝えられましたが、今回も同様の思いがあります。ヨナ本人の気持ちがどうなのかあまりはっきりしませんが(エージェントの会見でヨナの肉声が音声や映像で伝えられたわけでも無いようで)、ひとつだけ思うのは彼女が今後スケート人生を続けていくつもりでスケートが好きなのであれば、それがどんな形のものであるにせよ、スケートが好きな思いを伝えられ、スケートすることが楽しく、素晴しいスケートをファンに届けられるようなものでありますように、ということです。バンクーバー五輪以降のヨナは、スケートも人前に出ることも何もかも楽しくない、という風に見えることばかりなので。せっかく五輪女王になったのにあんなに不幸に見えることばかりなら、スケートを頑張ろうと思う若い子達の士気にも影響するのでは、と老婆心ながら思うほどです。 なお、現時点で総合コーチが不在で、「NHK杯までには決定・発表したい」としている浅田真央さんの動向が、今回の件と関係あるかどうかは当方にはわかりません。浅田さんサイドは「日本人コーチ」で「日本のリンク(中京大リンクを想定していると思われる)」で「浅田さんの指導に専念できる」人材を求めています。現時点で決まっていない以上、各種メディアが浅田さん周辺に取材することは想定できますので、浅田さんや、ヨナ母娘らの動向を今後も見守っていくということになるでしょう。 (※9月7日追記:浅田さんのメインコーチは佐藤信夫氏に決定、と浅田さんエージェントが9月7日に発表しました) いずれにしても、今回の件でまたまた「因縁といわれているIMGとヨナ側の不毛にみえる確執が浮き彫りになった」ことや(北米と東アジアの多くのスケーターがIMG傘下にある現在、今後韓国だけの活動に限定するならともかく、国外での活動を希望するなら同社とのしこりは得策と思えない。今年は韓国でのヨナショーと、日本のIMGのイベントが3回連続で日程がダブったのは果たして偶然なのか、と痛くない腹まで探られる始末)、 「孟母三遷の教えを地で行くヨナママのごり押しは娘のためになるのか」ということが、しばらくの間は人々の話題にのぼると思われます。 <参考リンク> 当ブログでの参考エントリー その1 その2 サーチナ アイスネットワーク記事 (デビッド・ウィルソンとリッポンの近況) 上記記事を書いたライターのTwitter 多くの北米選手サイト管理を行なっているFSONLINEのTwitter
by morningdew21
| 2010-10-06 23:00
| エトセトラ
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