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2011年 10月 02日
2011年10月1日に行われたジャパンオープン&カーニバルオンアイスを、会場で見てきました。昼の部は昨年10月開催のジャパンオープンやNHK杯以来、実に1年ぶりに日本で行われるフィギュアスケートの国際大会だったので、当方も競技スケートに臨む姿勢を半分忘れていて、とてもゆるい感じで(よく言えばリラックスして)赴き終了まで過ごしたので、そのことには功罪両方の面がありましたが全体に良い演技が多くレベルが高かったこともあり、存分に楽しむことができました。
全選手の演技レベルと評価が最も揃った北米チームが初優勝を飾り、会場インタビューで北米選手自身が認めたようにチームの半分はひさびさにFSを滑ったスケーターだったということに、特別の感慨を抱いた方も自分を含めて多かったと思います。 ジャパンオープンの地上波放送が終了し、カーニバルオンアイスのBSでの放送(ほぼ完全版と見込まれる)は10月23日とまだ先なので、ここではカーニバルオンアイスの出演順&演目を中心に、必要に応じてジャパンオープンでの印象も加えながら記していきます。 第一部 オープニング 庄司さん…今季SP。JGPの映像では音楽があまり聞こえず、難しい選曲に背伸びしたプログラム…といった印象ばかりが残ったけれど、今回は大音量で音楽もその世界観も伝わり、彼女の爆走ぶりと演技の元気良さは嬉しい驚きでした。今後の健闘を楽しみにしています。 羽生君…ロミオ+ジュリエット(今季FS)。昼の部は荒川さん出演直後に彼女の紹介アナウンスに続いてサプライズ出演し、昨季SPの白鳥の湖を滑りました。もちろん疲れもあるだろうけれど、今季は迷いなく突っ走ろうという気概がどの場所でも伝わるので嬉しいです。 トゥクタミシェワ…彼女は大会ごとに出来不出来の波が大きい選手ですが、昨日は昼夜とも「よいトゥクタミシェワ」が存分に見せられたと思います。どちらも素晴らしい演技でした。昼はべサメ・ムーチョのスローアレンジで、風変わりなアレンジ&プログラムという事前の評判もあったけれどとても好印象でした。2度の3-3ジャンプも決めて女子1位は納得。夜はアディオス・ノニーニョ(今季SP)。 究極の急造チームになった欧州チームの仲の良さが今回とても好印象で、若い彼らを見ていてまぶしかったです。 本田さん…葉加瀬太郎の楽曲。いつもの気高くて美しい演技はより素敵になっていて、プロではコミカルだったりハードでアップテンポなナンバーだったり、とさまざまに挑戦して幅を広げてきているけれど、本来の魅力が発揮されるのは今回のような音楽をたっぷり表現できる場面だと思います。素晴らしかった。 シズニー…競技で日本で滑るのは07年NHK杯以来だったと思いますが、昼の演技を見ていて、競技者としてほんとうにタフになったと実感しました。練習していると話した3Lz-3Tにトライし、ジャンプ全体に安定感が出てきたことが自信につながり、プログラムの印象の向上にもなっていると思います。本気で世界選手権表彰台(の真ん中)と五輪出場を目標にしていると感じます。 夜の部はDancin with Myself(11世界選手権EXで披露)。こちらも自信と喜びにあふれた好演技で、終了後の大喝采には当方も驚くほどでしたが納得の内容でした。良きスケート人生を謳歌してほしいです。次は国別対抗戦での再会を期待。 高橋&トラン…イマジン(今季SP)。DOIの初見時には子供っぽさばかりが目についたこのプログラムも、滑りこんで昨季のようなエレガントさが増して好印象でした。ジャンプの安定が大きな課題ですが健闘・奮闘を祈念します。 鈴木さん…昼の部の「こうもり序曲」は好プログラムとの声が事前から高く、私は初見でしたがメジャーコードの曲でノリやすいと思うし、昨日ぐらい(それ以上)にジャンプが決まってくると輝いて、良い結果につながってくると感じます。 夜の部はハンガリアンラプソディ(今季SP)。こちらは文句なしのはまりプログラムという感じで現時点ではこの方が好印象。当ブログ新潟FaOIの項でも記しましたが彼女はここ数年SPが課題なのと、シーズン後半に調子を落とす傾向があるので、その両方を克服できれば今季は楽しみな展開が期待できます。健闘を祈ります。 ガチンスキー…シーズン初期の大会での出来というのは割とそのシーズンを支配するように感じられるのですが、昨日の男子のコンペを見る限りまだまだ混沌としているというか今季の主役になりそうなのは誰か、という予測ができない状況です。そんな中でも(女子も含めて)いちばん光っていて好印象だったのがガチンスキーで、11世界選手権銅メダルがフロックではないと実感しました。FSの映画レッドバイオリンの楽曲はまさにはまりプログラムと感じられ、技術もすべてにおいて向上していて今後が楽しみ。自分でも納得のいく内容だったようで、かつてないほどキス&クライで明るくはしゃいでいたのがとても印象に残りました。夜は新潟でも披露したセントルイス・ブルース。 リード姉弟…昼は今季EX、夜は今季SD。 荒川さん…昼はケルティックウーマン「I am the Voice」で、ショーナンバーでは珍しく(初めてかも)3Loにトライ。夜はケルティックウーマン「Nella Fantasia」、アンコールが倉木麻衣「あなたがいるから」の後半部分。倉木さんの「芯と力のあるウィスパーボイス」と、この曲の歌詞とのコラボはほんとうに素敵です。新潟の時と同様に涙ぐんでしまいました。 高橋君…昼のBlues for Klookはフィギュアスケートでは使われることの多い曲ですが、彼がこれを選んできたことに驚いたし、現時点で技術的にも表現的にも消化の途上だけれど、今後の展開と奮闘を見守ろうと思います。今年からバレエのレッスンを受け始めたことが演技全体の印象を劇的に上げているのは素晴らしい。 夜は白シャツと黒パンツのシンプルな衣装で。今季FS候補だったかもしれず、プログラム作者も不明ですが素晴らしい演技でした。直ちにこれを今季FSにスイッチしてもいいぐらい。私が高橋君の演技を見て、実に久しぶりにスタンディングオベーションで称えた瞬間でした。アンコールは昨季SPのステップ以降で、こちらも私がこのプログラムを見た中でいちばんいい滑りだったと思います。 ショー第一部は好演技が多く、素晴らしかったです。 <第二部レポートに続く>
by morningdew21
| 2011-10-02 14:33
| 競技・大会
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