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2011年 11月 27日
<11月27日午前6時過ぎ記す>・競技の全日程が終了し、GPファイナルへの進出者が決定しました。最後の最後に大きなドラマがありましたね!日本選手は高橋君、羽生君、浅田さん、鈴木さん、高橋&トラン組が出場を決めました。ほんとうにおめでとうございます。
ファイナルには、男女シングルは全員高いレベルの競技力と魅力を持った選手が揃いました。男女とも、各大会優勝者が6人中5人、あとひとりも高得点を挙げた選手で、これほど顔ぶれのそろったファイナルはおそらく初めてと思われ、ベスト・オブ・ザ・ベストの大接戦が見られそうでほんとうに楽しみです。実力は全員互角と感じ、実際に対戦が行われてみなければ結果はまったくわかりません。 小塚君はスケートアメリカで「1位にあと4点足りず」3位にとどまったのが大きかった…。既に前を向いて進んでいると思うので、自分のスケートと表現を追求し極めるシーズン後半を楽しみにしています。 今季GPS成績表 男子 女子 ペア アイスダンス ・今大会男女シングル上位選手について。 女子優勝の浅田さん、おめでとうございます!GPシリーズでの優勝は2008ファイナル以来で、通算8勝め(05&08ファイナル、05&07フランス、06&08NHK、07カナダ、今回)。ファイナル進出は3年ぶり。国内戦も含めて優勝は2010年世界選手権以来ということになります。 本人にとっては長く感じた時間だったと思いますが、あわてずじっくりと、できることの種類と幅を広げ、質を上げていったことが今年これまでの成果につながっていると感じます。FSはファイナルのことを意識して緊張したということで硬い演技になってしまい、ミスも多くなってしまったのが本人的にも見る側からも残念で、今季2試合を見てトップランカーとして戦えるシーズンになると感じているので、今後はSPも含めノーミスを目指すというだけにとどまらず、さらに魅力的で人の心の奥底に届いて揺さぶって離さない、というような演技を期待し、楽しみにしています。現時点では両プログラムとも、端正だけれどパワーやエモーションやメリハリ感にすこし欠ける気がするので。あと、他の大会では難しいかもしれないけれど、ファイナルでは可能な限り3Aを試みてほしいと当方も思っています。 2位はレオノワでした。ファイナル出場決定とあわせて、おめでとうございます。彼女は今季GP3大会出場をもっとも上手に活かした選手で、出場のたびに各プログラムを高いレベルで行ない、回を重ねるごとに評価を上げていったのが素晴らしかったです。ジャパンオープン以来4戦連続で魅力的に演じているFSも、はじけっぷりが楽しいSPもすでに余裕を持って滑り演じることができていて、両プログラムとも魅力が見る者にストレートに届いて揺さぶるものがあるという点では、地元のロシアでの大会だからというだけでなく、今回は優勝者以上のものを感じました。レオノワはここ一番という場面でとても強く、ISU選手権に出場するたび自国の出場枠を増やし、国内選手権でもきちんと結果を出して代表になってきて、ロシアシニア女子トップの地位を続けています。今季はこのままコンディションをキープし、活躍し続けることを期待します。 3位はソトニコワで、今季初参戦したシニアGPでは2回とも表彰台に乗りました。報道でも伝えられましたが、彼女は今年のGPロシア大会のイメージキャラクターとして採用され、ポスター、パンフレット、IDタグなど会場周辺は彼女の写真が満載で、地元のモスクワでの開催でもあり、ロシアのフィギュアスケート関係者が今大会に寄せる思いと期待は単にGPシリーズの1大会という範疇を超えていたように感じたので、若い彼女にとっては苦しい大会だったと感じます。そんな中でも自分らしさを出した演技が行えて、結果にもつなげたのは良かったです。 4位は、私にとっての今大会女子MVPであるビリュコワ。両プログラムとも彼女の良さが120パーセント出ていて、全選手中もっともミスが少なく美しくて力強い演技ができ、世界に向けての大きなアピールができたと感じました。今季はロシアの「恐ろしい子供たち」(ソトニコワ、トゥクタミシェワ、リプニツカヤなど)は年齢制限でまだシニアのISU選手権大会に出場できないため、ビリュコワや、シェレペンをはじめとしたシニア大会出場可能な年齢のジュニア選手には大きなチャンスがあります。今季これからの国際大会でもまたビリュコワの素敵な演技が見られることを楽しみにしています。 男子優勝は羽生君でした。シニアGP初表彰台&初金メダル(16歳での優勝はプルシェンコ以来でしょうか)、あわせてファイナル進出もほんとうにおめでとうございます!今大会に臨む羽生君の冷静さには目を見張るものがありました。ポテンシャルはどの選手にも負けないものをすでに持っているので、今回冷静さを保って、超・僅差で総合2位の選手をかわし、結果につなげたことは羽生君の今後にとってとても大きな出来事でした。この1年間頑張ってきたことが正当に評価されたとも思います。すでに映像で見たSP演技はほんとうにほんとうに素晴らしく、心に響くものがありました。ファイナル以降も思い切り良く、時には冷静に、素敵な演技をたくさん見せてほしいと思います。ファイナル、とても楽しみです。 <11月26日午前2時半過ぎ記す> 初日の競技が終了しました。波乱の連続だった今シーズンのGPシリーズですが、今大会はショートを終了した時点で、強豪と思われる顔ぶれが順当に上位に来ているように見えます。どのカテゴリーもトップの選手と2位の選手が比較的僅差なので、FSの出来栄え次第で流れが大きく変わる可能性があります。 今大会でもっとも注目されている男子シングルは、SPで羽生君が好発進しています。本人も周囲も力が入るところですが、会場入りのとき羽生君自身が話していたように「冷静に、自分のできることを落ち着いて」行ない続けてほしいと思います。 <以下、11月24日記す> 今年のフィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第6戦、ロステレコム杯(ロシア大会)は11月25日から、おなじみのモスクワ・メガスポルトにて行われます。 今大会は残念ながら負傷欠場の選手が多く、男子はベルネル(腰のけが。椎間板ヘルニアの模様)、ペアはハウシュ組(女性が足首にけが)、アイスダンスはリード組(弟が右足小指骨折)を欠いての実施となります。補充選手はありません。 今大会のみ出場の選手にも各カテゴリーで好演技が期待でき、楽しみです。なお、すでにご存じの方も多いと思いますが、ロストバゲージに遭ったアボットと今井さんは荷物が無事到着し、ふたりとも公式練習に参加しています。 男子は、9人全員が少なくともどちらかのプログラムで4回転ジャンプを行うと思われ、超・高レベルの大接戦が期待できます。 女子は今年の世界選手権と同様に(おそらく)現地のご厚意により、日本時間のゴールデンタイムに合わせた競技スケジュールになりました。浅田さんがなんとなく持ち合わせているように感じられる「ロシアへの苦手意識」を今大会で払拭できるかどうかに注目。 ISU:大会結果ページ (現地と日本との時差は5時間。今年の3月27日以降、モスクワと日本との時差は5時間で年中固定されています) テレビ放送予定 テレビ朝日系地上波 (女子競技は生放送が可能な時間帯ですが、生かディレイ放送かは不明。男子の実況&解説は森下アナ&佐野さん、女子は清水アナ&荒川さん、現地レポートは進藤アナ) BS朝日 テレ朝チャンネル テレビ朝日フィギュアスケートTwitter (今大会は進藤アナが担当。丹念なレポートに感謝します) 写真特集 AFPBB アフロ ※今季GPS成績表 男子 女子 ペア アイスダンス ファイナル進出可能性があるのは、男子はアボット(ロシア大会4位以上)、フェルナンデス(ロシア2位以上で。3位でもかなり通過濃厚)、羽生君(ロシア優勝で)、ナン・ソン。小塚君もわずかに可能性を残しています。 女子は浅田さん、レオノワ、ソトニコワ、今井さんのうち、ふたりに進出可能性があります。条件はかなり複雑ですが、おおむね2位以上で進出可能となります。 ペアは、最後の1枠をベルトン組(ロシア大会2位以上で進出)とデュハメル組で競います。 アイスダンスは、ロシア大会出場のデービス組とボブロワ組のファイナル進出可能性がきわめて高いです。 ※すでにファイナル進出を決めている選手は以下の通り。 男子…チャン、高橋君、ブレジナ 女子…トゥクタミシェワ、コストナー、鈴木さん、シズニー ペア…ボロソジャー組、川口組、サフチェンコ組、張&張組、高橋組 アイスダンス…バーチュー組、シブタニ組、ペシャラ組、ウィーバー組
by morningdew21
| 2011-11-27 06:00
| 競技・大会
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