○中日の井上一樹選手会長ら56選手とスタッフ28人が26日、中部国際空港から沖縄入りした。2月1日のキャンプインまで、現地で合同自主トレを行う。初のキャンプを前に意気込む高校生ドラフト1巡目ルーキー、堂上直倫内野手(18)=愛工大名電高=はフィギュアスケートの荒川静香のエッセーを持参し沖縄入り。五輪金メダリストの“教え”を、長くて厳しい練習の励みにする。(中日スポーツ1月27日付)
1カ月以上続く過酷な旅のお供に選んだのは、一冊の本だった。
ビシッとスーツで沖縄入りした堂上直は、春季キャンプを前に緊張気味。「兄からは練習が長いとか、高校の練習とは違うと、聞いています」。“地獄”と称される中日のキャンプ。父・照さん(中日合宿所・昇竜館館長)、兄・剛裕から伝え聞いてはいるが、未体験の世界だけに不安は隠せない。
そんな堂上直は、バッグに前日25日に買ったばかりの本を忍ばせていた。「荒川静香さんの本です。普段は本をあまり読まないんですけど、金メダルをとった人が、いつもどういう考えで練習していたのか気になったんです」。書店で目に留まったのは、トリノ冬季五輪フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香(25)のエッセー「Tira mi su-だから私はがんばれる」だった。
弱冠17歳で(管理人注:原文のまま)長野冬季五輪に出場した荒川だが、ソルトレークシティー冬季五輪の出場を逃し、挫折を経験。一時は引退も考えるなど、紆余(うよ)曲折しながら、トリノで世界一まで上り詰めた。
愛工大名電高の寮のテレビで、金メダルの快挙を目にしていた堂上直は、荒川の半生がつづられたこのエッセーを“バイブル”に決めた。「最初だけ読んだんですけど、荒川さんはすごいプラス思考で、結果より過程を大事にしています」。若くして世間の注目を浴びる存在になったのは共通項。つらい練習や慣れない共同生活で弱気になった時、ページをめくって、金メダリストの経験や言葉を励みにする。
「キャンプはこれまでの合同自主トレとは違う。自分ももっと声を出して、どんどんアピールしていきたい」。太陽が輝く沖縄の地で、堂上直のプロ野球人生がいよいよ幕をあける。 (原田遼)(以上・中日スポーツ1月27日付)
中日スポーツホームページ:堂上弟、“静香と沖縄入り” 金の教えでキャンプ乗り切る
私はこの堂上さんという人をよく知らないのですが、ひとりの人の生き方や言葉が思いがけないところに影響を与えていることに驚き、感銘を受けた記事だったので取り上げました。彼の活躍と成長を心から期待します!