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2008年 07月 04日
6月29日夜公演(千秋楽)のレポートです。
<出演者一覧> <滑走順>(敬称略) オープニング(各自選んだ曲に乗って得意技披露) <第一部> 石川(シルク・ド・ソレイユ「キダム」から) 羽生(ムーラン・ルージュ) 西野(シング・シング・シング) 佐々木(映画「マスク」から) 水津(ナディア) 無良(パルプフィクション) 鈴木(リベルタンゴ) 中庭(You're Beautiful) 武田(ハイ・スクール・ミュージカル) 織田(トスカ) 村主(ウィンナーワルツ) 東京女子体育大学クラブ(To Love You More) <第二部>08年世界選手権出場選手 南里(月光~津軽海峡冬景色~月光) 中野(サムホエア) 川口&スミルノフ(Prophet) 小塚(ラストダンスは私に) 安藤(ボレロ) ランビエール&ナハロ(ポエタ) マイヤー(アメリ) ウィアー(アヴェ・マリア) 高橋(eye) 浅田(映画「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」から) フィナーレ <印象に残った選手> ・石川さん…高校生時代の荒川さんに容貌がそっくりな彼女。ジャンプが安定し、スケールが大きくなり、衣装もクリームに金をあしらったものでさらに荒川さんを重ね合わせて見ていました。今シーズンの大飛躍を期待しています。 ・水津さん…昨年末の初披露以来、名作として人気のあるプログラム。私はライブでは初めて見ましたが非常にいいプログラム、いい出来でした。第一部に登場した女子選手の中では滑りの質、プログラム解釈など総合力でいちばんの出来だったと思います。ジュニア多分最後の今期が楽しみです。 ・無良君…何度も跳んだアクセルジャンプの高さとスケールの大きさにビックリ!今年からのシニア参入、元気にのびのび滑ってほしい選手。 ・武田さん…大きな体に比例したスケールの大きな演技ができるようになったこと、ジャンプが安定していたのは大成長。 ・織田君…もともと滑りの素性のいい、演技の質のいい選手でしたがさらにスケールが大きくなり、安定した品格のある演技ができるようになってきたのは見ていて快く嬉しいこと。千秋楽ではオープニングと、自分のプログラム中でいずれも3連続3回転ジャンプをきれいに決めており、この点も今後大いに楽しみ。今期の大活躍を予感しています。 ・村主さん…今春のPIWで大好評だったエキシビプログラムを披露。競技プログラムと大きな違いのないプログラムを披露した選手が多かった中、「これぞエキシビ!」というものを見せてもらえたのが嬉しかった。どこか泣き笑いのような表情のあるカール・ジェンキンス(アディエマス)の音楽は村主さん・ズーリン氏のどちらの好みかわかりませんが彼女との相性が非常に良く、今後も機会があれば見てみたいです。選手活動も心機一転、新たな環境での飛躍を期待します。 ・南里君…美しくて質のいい滑りに感嘆。綺麗なスケーティングなのでこんなお笑いをまぶさなくても…という意見もあるかもしれませんが、途中チャルダッシュ風のアレンジやテンポに変わるなどの小技もまじえ、いろんな技量を見せてくれました。とてもいい出来でした。 ・中野さん…いつものように綺麗にまとまった演技で、それゆえこの日は少しこじんまりした感が否めなかったけれど、大好きな曲の、中でも好きなストライサンドのバージョンということで、滑るたびに見る人の心を明るく暖めてくれると思います。 ・安藤さん…とてもいい出来でした。私の好きな柔らかいタッチのスケーティングや表現が満載で、スケールが大きく、ゴージャスで、エレガントでした。海外も含めて現役選手の中では独特な、目を惹く存在であると再認識。体調がよくない状況での出演にはさまざまな意見もあると思いますが、「体調がよくない割には」ではなく、いい演技でした。肩の力や気負いがいい具合に抜けて、その点も奏功したと思います。本人が再スタートの場と決めた場所での披露は素敵でした。 ・ランビエール&ナハロ…生きててよかった!このプログラムを会場で見られて心底よかったと思いました。文句なく、当日のダントツN0.1パフォーマンス。この時期にこのプログラムが見られるだけでも幸せなのに、私が何度か見た中でも最高の出来でした。はずれもしばしばあるけれど当たると大きいこの人、何度もライブで見たけれど今回が最高でした。隣の人とふたりで大泣き。 ・マイヤー…この人のすきとおった「あかるかなしい(明るい哀しみ)」キャラクターがとても好きで、最近になってその表現がより研ぎ澄まされて深くなってきたので感銘を受けます。日本にたくさん来てくれて、素敵な滑りを見せてくれることに深く感謝します。 ・ウィアー…この日は昼夜とも「アヴェ・マリア」を滑りました。収録日は「フィーリン・グッド」だったよね、と気づいて、しっかり見ました。大好きなプログラムで、彼自身が音楽になった如き美しいスケーティングと表現、どの要素もほんとうに質がよく、見つめながら彼の中に引き込まれるような印象を受けました。 ・高橋君…あえてこの早い時期に「新しいSPです」と言って披露したことには、本人および周囲にさまざまな思いがあると感じます。当方の感想もその観点においてのものになりますので、この項のみちょっと切り分けて。 1)純国産のプログラム 本作は振付(宮本賢二)、音楽(coba)ということで、外国人コーチを別に契約したり国外で練習したりということが今後あるかどうか現時点で不明な中、まずはSPは純国産として提示してきました。これは日本のトップ選手としては異例というかきわめて久しぶり(伊藤みどりさんの初期プログラム以来だと思う)のことなので、まずはこの点が国際大会でどういった評価を受けるか注目しています。 この日の演技は、要素そのものはどれも良く、特にスピンの出来が良かったことにもっとも瞠目しました。気になったのは音響が良くも悪くもない新横浜で、かなりラウドで音の分離が悪い印象を受けたので、代々木第一体育館のような音響が悪いことがわかっている場所をはじめ、さまざまな環境下の会場で音楽がどんな風に聞こえるのか、今後の研究が必要かもしれません。 2)演技構成 最近流行の「ステップシークエンスを2つつなげる」ところなど、現時点での演技構成はパーツを仮においてみましたという印象で、バランスには一考を要すると感じました。 3)4回転の導入 このプログラムには4回転を入れる、と高橋君は明言しています。4回転からの連続ジャンプ、あるいはステップからの4回転ということで、この点は早い時期にプログラムの骨組みをつくりましたので、存分に練習を重ねてどんな状況でも入れられる、というところまで持ってこられることを楽しみにしています。
by morningdew21
| 2008-07-04 14:00
| アイスショー(国内)
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