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2008年 09月 16日
<第一部レポート>
・西野さん…今期SPを披露。ものすごく速く滑るスケーティングに仰天。青い衣装で、身長がかなり伸びて手足も長く、外見が浅田真央さんに似てきているように見えました。彼女の技の中で私がもっとも好きなドーナツスピンも、とても綺麗でした。 体が大きくなってきている時期のためかジャンプにやや苦しんでいる模様で、体調は悪くないように見えましたので、あわてず練習に励んでほしいと思います。彼女の若さで今回のようなクオリティの高いショーが経験できたこと、それ自体が財産だと思います。 ・織田君…今期SPを披露。スケールの大きい、よく滑るスケーティングを見せてくれました。競技用のプログラムなので明らかに今回のリンクの大きさでは狭く、リンク外に飛び出してしまいそう、と思う場面も一度や二度ではありませんでした。 競技用ですからそれでいいと思っていて、大会の際には更に思いっきりグライドを効かせて滑り、舞い上がってしまいそうなほどジャンプし上半身を伸ばし、リンクいっぱいに素敵な演技を見せてもらえそうな予感がしました。 少しあわただしくて、キメのポーズ(イナバウアーやフィニッシュの場面など)が活かしきれていないと思うところもあったので、今後は見せ場では「タメ」を効かせてバシッと見せてもらえると嬉しいです。いずれにしても期待大で、大会で滑る回数を重ねるごとに良くなってくる予感。楽しみにしています。 ・ボナリー…06年COI仙台公演以来2年ぶりに彼女の演技を見ました。その半年前に長野市で開催された「長野メモリアルオンアイス2006」で彼女をはじめてライブで見て、プログラム中に5回も3回転ジャンプを跳び、あたりまえのようにバックフリップを軽々とこなす姿に、この人引退してからずいぶん時間が経っているのになんて凄いの?!で、スケーティングやパフォーマンスは現役のときより明らかに良くなっているし…と驚いたことを思い出しながら、今回も見ました。 今回の公演のまず1プログラム目は、ジャンプの回数は少し減ったけれども彼女らしいキュートで元気のあるもので楽しかったです。ここではバックフリップは無し。 ・ペシャラ&ブルザ…タンゴの定番曲を披露(06-07シーズンのODだと思います)。生演奏にぴったりの曲・演出で、川井さんもノリのいい演奏をし、それにあわせて素敵に滑ってくれました。 彼らは現役選手の中でもスタイリッシュな演技をする人たちという印象があり、今回のもそういう感じを受けましたが、タンゴなのでもっと泥臭くてもっとホットな感じだと更に良かったかな、という気もします。今年のNHK杯に登場しますので、いつもユニークな選曲・パフォーマンスで魅せてくれる人たちでもあり、楽しみにしています。 ・本田さん…この日とても素晴らしかったスケーターのひとり。以前から、彼はバランスの取れた、折り目正しいきれいなスケーティングをする、いいスケーター…ということは見るたびに思っていました。けれども今回ほど、音楽を捉えて滑ることにこれほど長けていて、うまいスケーターだ、と思ったことはありませんでした。第2部も含めて、思わず声に出して「うまいなー」と言いながら見てしまったほどです。滑っているどの瞬間も見逃せない、素敵な演技でした。13日のチェロバージョンでの演技も、深い悲しみを秘めた魅力的なものだったろうと想像します。 本田さんの演技のいい部分が、たとえば高橋君など後輩に受け継がれていくんだ、ということも実感しました。 本田さんはプロ3年めで、多数のショー出演や選手指導で超多忙と思われる中、見るたびに演技の質が良くなっていることが嬉しく、素晴らしいと思います。今後も大活躍を期待します。 ・井上&ボールドウィン…この人たちも、この日とてもいい出来でした。独特のいいシンクロ感と、暖かい雰囲気のある人たちですが、今回は技術面でも充実していました。第一部の白鳥の湖は、演技内容・構成は明らかに競技用のものなので、今期のSPかとも思います。生演奏と演技の尺があわない箇所もありましたが(icenetwork.comには別の曲名が記されていている)、演技全体は期待を大きく上回るもので、今期の活躍が楽しみです。 カップル競技のスケーターが3組登場した中では、彼らの印象が今回はいちばん良かったです。ペア競技を生で見ると印象がガラッと変わる(良くなる)ことのひとつに、高い高いリフトがダイナミックに感じられることがあり、今回もそのことを堪能できました。 ・村主さん…人気のEXプログラムを披露。ここ2シーズンほど苦しみぬいてきた、(得意技のはずの)フリップの出来が戻ってきているように見え、全体にスピードがあってよかったです。先月末の米国のショーで初披露した今期SPがいいプログラムだったので、今回見てみたかった気も。 ・荒川さん…かっこいいプログラム&演技でした!とても完成されていてソリッドで素敵でした。私は今年のFOIに行かなかったので今回初見でしたが、たちまち大のお気に入りになりました。FOI初披露時には賛否両論もあったようでしたが、両方見た方の感想もお寄せいただければと思います。 シェイリン・ボーン作のプログラムですが、ひとめ見て「そこにシェイがいる」という印象で、シェイ好みの要素や動きが満載。荒川さんが指なし手袋までしていたので、シェイ得意の「ハイドロブレーディング」(氷上に手をついて、低い姿勢でコンパス状に回転すること)まで見られるのかとも思いました。 ショー全体を通じて、荒川さんの多才(多彩)さが楽しかったです。いろんなタイプの魅せ方ができて、技術面でももちろん安定していて。この上何かを望むとすれば、逆に泥臭いというか、かっこ悪い面も(意識して)見せられれば、さらに魅力的だと思いました。 ・ウィアー…この日、私にとっての最高の演技でした。素晴らしかった!演じたのは新しいEXプログラム(今期FSに使用の、ミュージカル「Notre Dame de Paris(ノートルダムのせむし男)」の1曲)。彼の演技をライブで見るたびに思いますがほんとうに大きく感じられ、凄いスピードで肉弾が爆走し、表現が体の外にほとばしり出るような印象があります。テレビで見ると柔らかい感じですが、実物は力強く「豪」のイメージがあります。 今回のプログラムはほんとうに大サビばかりの、どこをとってもドラマチックなもので、充実した演技とあいまって「チャンピオンプログラム」「これぞチャンピオンの演技」と直感できるものがありました。こういう気分というのは共有できるもので、私も周囲も皆立ち上がってエールを送りました。私が彼の登場場面でジョニージョニーとあまりにも連呼したので、周囲からも発声が(笑)。素晴らしい演技を見られて嬉しかったです。 ウィアーは今回のショーで出番が多く、状態も非常に良く、魅力が爆発していました。今期がほんとうに楽しみです。 <第二部レポートに続きます>
by morningdew21
| 2008-09-16 12:27
| アイスショー(国内)
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