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2012年 11月 12日
<11月12日追記>今大会全日程が終了しました。
・男子は、チャンが両プログラムとも圧倒的な演技&高スコアでの優勝。ファイナル進出も見事に決め、ほんとうにおめでとうございます。技術点・演技構成点の両方とも出にくい(点が辛い)今大会でしたが、チャンの特にFSはそんなのどこ吹く風、といった評価が出たし、それにふさわしい素晴らしい演技だったと感じました。何より、昨季は実質的に一度も見られなかったといってもいい(ベストパフォーマンスだった四大陸FSでわずかにその匂いがしたぐらい)、「爆音とともに猛スピードでぶっとばす、でも同時にとてもエレガントな、異次元への入り口のような悪魔的な美しさのあるスケーティングとパフォーマンス」が、今大会でかなり戻ってきたのがほんとうに嬉しかったです。心身の調子を整えながら、これからもたくさんの素敵な滑りを見せてもらえるのを楽しみにしています。 小塚君、今大会2位&ファイナル進出おめでとうございます。おめでとうと言われても忸怩たる思いばかり募るのかもしれませんが、「たくましいアバウトさ」(この大会は2位で充分、パーフェクトではないけれど今回はここが良かった、等々)が必要な場面も多々ある、ということは伝えたいです。そういうたくましさが見る者に結果として届く場合はあるはずなので。 ブレジナは3位表彰台おめでとうございます。SPは演技構成変更が効いたと思うし、FSは正確で安定した後半部分が大きく奏功しました。今季これまででは最もシャープで美しい身体表現ができていたのも良かったです。シーズン後半も頑張ってください。 4位のメンショフは、今大会のみならずシリーズ全体の敢闘賞を差し上げたいほど、素敵な素敵な2大会の演技でした。演技の質や体の動きがほんとうにシャープで美しく、どこを切りとっても絵になるさまは全選手中でも屈指の素晴らしさだったし、例年にくらべてシンプルでギミックの少ない両プログラムも、クールで熱い魅力的なものでした。国内選手権をぜひ勝ち抜いて、欧州選手権や可能であれば世界選手権&国別対抗戦でも素敵な演技を見せてもらえるのを楽しみにしています。 5位の織田君は素晴らしいFSが行えて、演技終了後も満面の笑顔にやりきった感が見えたのが嬉しかったです。けがの無いよう準備を行なって、全日本で自分の力を出し切り、大願成就出来ますように。 ・アイスダンスはバーチュー組が2大会優勝でファイナル進出を決めました。おめでとうございます!昨日放送されたカナダ大会アイスダンスはSD大苦戦(カッペリーニ組と0.01点差スタート)、同組とのまさかのFDカルメン対決(それぞれまったく異なった個性があって、バーチュー組のコンテンポラリー風解釈には驚いた)等々、思いがけない見どころがありました。カナダの映像ではバーチューの足さばきが悪い場面もあり、2度手術した足のことなど気になるところもありましたが、アイスダンスはシーズン後半に向けてどんどん完成されていくものなので、今季これからの成長を見守っていきたいです。 2位にはイリニフ組が入りました。この結果、アイスダンスファイナル進出者は(以下の組が2大会無事出場できれば)、バーチュー組、デービス組、ペシャラ組、ボブロワ組、カッペリーニ組、イリニフ組という顔ぶれになる可能性が高くなりました。 <11月10日夜追記> 女子の競技が終了しました。コルピが両プログラムとも素晴らしい演技で優勝し、自身初のファイナル進出を女子一番乗りで決めました。ほんとうにおめでとうございます! 今季は、既に何度も記しているように良いプログラムが非常に多いと感じますが、コルピの両プログラムはその中でも群を抜いて優れた特A級の作品で、定評のあるスケーティングは更に磨きがかかり、ジャンプをはじめとした他要素も質が良くキレがあり、連戦もまったく問題にせず好演が続けられて、素晴らしい評価につながったのは嬉しさの極みです。 コルピは女子の中では大ベテランといっていい人ですが、男子のメンショフらと同様に、今まさに選手として素晴らしく開花した感があります。比較的けがが多いのでそのあたり留意しながら、素敵な演技でたくさん楽しませてほしいと感じます。 2位のゴールド、3位のザワツキーの2人は、GPシリーズ初表彰台おめでとうございます。ふたりは良きライバルとしてこれからもたくさん切磋琢磨し成長してほしいです。全米選手権も楽しみですし、ザワツキーはNHK杯の出来如何でファイナルの可能性も出てきました。 4位の村上さんはよく頑張ったと思います。今回のメンバーで他選手の出来栄えからすると順位&得点は健闘したと感じ、ファイナルへの可能性もつなぎました(これまでの4大会で2位以上を獲得したオズモンド、ゴールドのファイナル進出可能性がほぼ無いため)。今大会は2位になっていた可能性もあり、要素抜けは残念でしたが、そういったこととは全く別にほんとうに魅力的な演技が行えている今季なので(特にFS)、ぜひひとりでも多くの人に村上さんの素晴らしさを見てほしいと感じます。 ロシア3人娘の皆さん、おつかれさまでした。コロベニコワはエリック・ボンパール杯も残っていますし、レオノワ、ソトニコワはぜひ国内選手権を勝ち抜いて、欧州選手権以降にまた楽しませてください。 ペア競技はSP・FS・総合とも同じ順位で、ボロソジャー組が高得点で優勝しファイナル進出を決めました。おめでとうございます!2位のバザロワ組、3位のデニー組はファイナルへの可能性をつなぎました。 まもなく始まる男子FSはオンラインリザルトやニュースでは追わず、あすの放送を楽しみに待ちます。 ISU:大会結果ページ (現地と日本との時差は5時間) 大会放送予定 テレビ朝日系地上波 (一部の地方局でも放送があるようです。お近くの局で放送予定があるかどうか、各自ご確認ください) BS朝日 (土日で一挙放送は嬉しいですね。世紀の一戦をお見逃しなく) CS朝日ニュースター (中国杯、ロステレコム杯、エリック・ボンパール杯のエキシビション放送スケジュールが早くなりました。その他は約2週間遅れで全カテゴリー全選手を放送予定。スケートアメリカ2012、上記3大会EXの再放送もあり。テレビ・チューナーの番組表でもご確認ください。一部の番組は当初発表と放送時間が変わっています) テレビ朝日:フィギュアスケートツイッター 同:フェイスブック スポーツナビ:フィギュアスケート 同:ニュースまとめページ 写真特集 AFPBB アフロ ゲッティイメージズ 2012GPシリーズ成績表 男子 女子 ペア アイスダンス <以下、11月6日記す> 今季フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第4戦、ロステレコム杯(ロシア大会)は、おなじみのモスクワ・メガスポルトにて、現地時間の11月9日から行われます。 今大会は、日本から出場する3選手のファイナル進出がかかる、シリーズ最重要大会と思われます。 ・男子は6大会中で最難関と感じられる、超・強豪揃いの組み合わせになりました。初戦で優勝した小塚君は今大会3位以内で、チャンと織田君は今大会優勝で、自力でのファイナル進出が決まります(それ以外の場合は今大会以降の他選手結果による)。 上記3選手のほか、今季好調のメンショフなど役者が揃い、加えて今シリーズ最大のダークホースというかジョーカー的な役割をしそうな米国の2選手(今季好調のドーンブッシュ、フィンランディア杯で健闘したウィアー)がこれから2大会出場ということで、高レベル大混戦のシリーズの行方がますます面白さを増しそうです。 ・女子は、初戦3位の3人(村上さん・ソトニコワ・コルピ)が揃う興味深い組み合わせになりました。この3人の誰かが優勝した場合は、その選手の自力でのファイナル進出が決まります(それ以外の場合は今大会以降の他選手結果による)。今大会女子競技は全出場者の力が他大会に比べて接近しており、優勝の行方がまったくわからない面白い展開になりそうです。 このしびれるような試合の地上波放送が、一部地域でしか行われないのは残念というより痛恨の極みですらありますが(日本での放送と時間の相性がいいロステレコム杯であればなおのこと・・・過去、複数回のライブ/ニアライブ放送が懐かしい)、BS・CS放送が視聴できる方はぜひご覧いただきたいと思います。
by morningdew21
| 2012-11-12 00:01
| 競技・大会
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