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2009年 10月 04日
第2部
ヤグディン…私が彼の演技を会場で見るのは5回めぐらいだと思いますが、今回はとても良かったです。休養も取れているようで演技の質が良く、スピードも流れもありとても魅力的でした。 ロシェット…昼の部のプログラムはほんとうに素晴しかった。2年ぐらい前まで、力はあるけれど大舞台に弱い、等々言われたのが嘘のような大成長です。軽微なミス1箇所では得点が出るのも当然、の内容でした。プログラムの出来・解釈・技術、すべてに五輪のチャンピオンプログラムと感じさせるものがありました。気合のはいりかたが凄すぎる!現時点であまりに完成され過ぎていて五輪まで持つのかということが逆に懸念材料かなと思うぐらい素晴しかった。今季の大活躍が楽しみです。 夜の部の今季EX(シャキーラのオブジェクション)は、過去2年の彼女のEX(サマータイム、ダイ・アナザー・デイ)があまりに素晴しかったので国別での初見ではさほど魅力を感じなかったのですが、今回会場で見てなかなか好印象でした。 織田君…昼の部では彼は関係者席で男子の競技を見ていて、ランビエールの終了後にスタンディングオベーションを行なっていたのが微笑ましく、見ていて快かったです。 夜の部では今季SP(マキシムの死の舞踏)を披露。今回は軽微なジャンプミスもありましたが、スピードも力強さもあり、彼を支えてくれるプログラムだと思います。アンコールには今季FS(チャップリンメドレー)をアンコールとは思えない長さ(丸々全部滑るのかと思ったほど)で見せてくれました。既に先月末米国のショーで披露して大好評を博しており、今季がとても楽しみです。 <参考>米国のフィギュアスケート情報サイト、lifeskate.com:織田君インタビュー&9月26日演技映像 浅田さん…競技で披露した今季FSは、ジャンプの失敗が続き魅力が発揮できないうちに終わってしまいました。短く感じるプログラムというのがあるもので、それは内容が充実している場合に多いのですが、今回の彼女の演技は見せ場をつくれないうちにあっという間に終わってしまった印象。 得点は例年の彼女も初戦は同様ですが、今季はスケジュールが厳しく日本での試合も当分無いので、時間が無い中、どの時点で「乗り越える」のかに注目しています。 好評のEXナンバーは今回もかなり良い出来で、競技プログラムをつくった人と作者も演者も同じとは思えないはつらつ感があり、「こちらをSPにすればいいのに」との声も少なくない中、ほんとうの今季SPの評価にもよりますが本気で検討してもいいかも。EXの衣装で滑ったアンコール、「鐘」のストレートラインステップは、昼間の競技と比べると、見違えるほど魅力的でした。 バトル…昨日は昼夜共に、この人の演技の素晴しさが際立っていました。あの会場に何かが降り立っていたと思うほどでした。 昼間の競技は、昨季FS用に用意していた「エクローグ」で、すでに多くの好評を博していましたが、昨日のはほんとうにほんとうに素晴しかった!やさしくて美しくて暖かくて技術面でも素晴しく、これほど「いつまでも見ていたい、終わらないで欲しい」と思いながら見たプログラムは、私にとっては今回の彼の演技が初めてでした。 現役でバンクーバー五輪に挑戦する意向は現時点で彼は示していません。しかし、できることならば来年初めのカナダ国内選に参加し、結果がどうなるにせよ、彼も含めた形で国内代表を選考してほしい、と私は今回の演技を目の当たりにして改めて強く思いました。 夜の部の彼も素晴しかったです。 安藤さん…彼女は昼の部は関係者席から、全選手の演技を見ていました。トップ選手の場合、会場で他の選手の演技を見る機会が少ないと思うので、今回のは良い機会でたきつけられるものもあったと思います。 夜の部では今季SP(マイケル・ナイマンの映画音楽から『夜の女王』)を披露。つくりこんだヘアメイクと衣装で登場し、アブストラクトな曲が流れてきたので、シルク・ド・ソレイユとか、キング・クリムゾンの「太陽と戦慄パート2」といったものをイメージしながら会場では見ていました。(帰宅後に曲情報を確認しました) 曲かけのタイミングと演技の入りのタイミングが合わずにやり直しを行ない、まったくの初見でもあったので当方がまだプログラムのイメージがつかめていないところもあり、後日の放送や競技での映像を見てイメージを膨らませたいと思います。力強いリフレインにのせた、力強い演技でした。 アンコールには今季FSのストレートラインステップ以降を披露。初お披露目の先月の米国ショー以来大好評のこのプログラムは日本でも既に大人気で、会場でも大喝采を浴びていました。 どちらのプログラムも、今季注力しているスケーティングとスピンの質がとても良かったです。今季の大活躍と成長を楽しみにしています。 <参考>lifeskate.com:米国での安藤さんインタビューと9月26日のFS演技映像。英語力の高さに驚嘆! ランビエール…競技プログラムでは、初披露のネーベルホルン杯ほどではなかったにせよ安定した力を発揮し、プログラムとしても魅力的で、2試合続けての高評価を獲得(確定)したのは大きな収穫であり、ライバルにとっては脅威だと心底感じました。遠征をはさんでの連戦でこれだけできてしまうのは凄いです。 夜の部は輪をかけて凄くて、静かでひそやかだったEXプログラムの「行かないで」ではスケートの滑りとスピードがもの凄く、ジャンプは高々と上がり、背中に羽根が生えているようで驚きました。 アンコールで披露した今季SP「ウィリアムテル序曲」はもう完全に反則と言っていいもので、あのランビエールが五輪シーズンにこんなに分かりやすいプログラムを持ってきたことの効果としたたかさに舌を巻きました。会場での反応は言うまでもないです。恐れ入りました。 昼夜とも、スイッチが入っちゃったなぁ、と半ば呆れながら、嬉しく見ることができました。素晴しかったです。
by morningdew21
| 2009-10-04 15:24
| 競技・大会
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